国内販売開始により値下げ。 レザー香水好きにとって空前絶後の商品です。たぶん史上初、革そのものから抽出した、文字通りレザーの香り。 レザーの香りは、天然ならバーチタールやラブダナム、もしくはカストリウムなどの動物性香料を使い、人工香料も用います。ローズなど「現物から取り出す」香りではないから、調合しなくてはならない。ですがこの香水は革現物から直接抽出しました。 そして、革現物が、ただの革ではありません。ロシアンレザーと呼ばれる、帝政ロシア時代に流行した、スモーキーな独特の芳香を放つもの。なめしに使う白樺(バーチ)タールに起因するこの香りは、シャネルが1925年にそれを模した香水を発売して大ヒットし、100年たった現在も、アレンジ版がレゼクスクルジフコレクションの一員として売られています。他にもメモパリのロシアンレザー、ル ラボのパチュリ24などがこの香りの系譜を引き継ぎます。 この革の現物と製法は失われていましたが、今世紀に入って、200年前の沈没船から革現物が発見され、それを入手したエルメスが復刻に成功。その端材を、復刻に協力したなめし工房を拝み倒して入手したというのがブランドの説明です。このプロジェクトは終了しており、現物の革は再び失われるでしょう。天然アンバーグリスとか本物のジャコウジカのにおい袋とか、そういうレベルの稀少さではありません。いくら待っても、自然がそれを産み出すことはないのですから。 元となるVanilla Havanaは、バニラ香料の魅力を10に分類し、それぞれの魅力を対応する香料で強調するというコンセプトを掲げた香水です。10の魅力とは、甘さ、スモーキー、ブージー(酒)、樹脂(アンバー)、スパイシー、苦味、クリーミー、タバコ、アロマ、レザーです。出品している品は、レザーが強調されたバージョンとして仕上がっています。バニラを楽しむための香水が、一転して、レザーを多面的に楽しむための香水に化けています。 さらに、このレザー抽出エキス単品もついてきますので、「生」でも楽しめるというおまけ付き。心憎いです。 500本限定のうち、煩悩の数の108番目。９割以上残っています。エキスももちろんあります。 外箱と同封パンフレットが揃っています。包装紙をとめていたブランドロゴ入りのシール以外は全て揃っています。