HOT ! 湯呑み茶碗　陶印「九谷雪山」／共箱「九谷光山」

湯呑み茶碗の底印（裏印）は「九谷雪山」ですが、共箱には、「御湯呑　九谷光山」と「光山」の朱文落款が、銘が「雪山」と「光山」、一字違いで異なります。入れ物と中身の銘が異なるは何故？ 「九谷光山」に関しては、大正９年（１９２０年）に創業の老舗の九谷焼専門店「片岡光山堂」が見つかります。初代は絵付師として活躍、現在３代目。令和３年には創業後１００年以上事業を継続している店舗に与えられる「老舗顕彰」を受賞。「光山窯」の窯元でもあり、「光山」ブランドだけでなく他のブランド、さらに若手の作品などの販売も手掛ける大きな九谷焼専門店のようです。 一方「九谷雪山」は、明治に活躍した九谷焼の名工「赤丸雪山（雪山堂）」との系譜関係はありませんが、昭和２年加賀生まれ、若年より上絵付を探求し独自の美の追及に専念、多くの受賞作、後年伝統工芸士に認定された「松ヶ浦正弘（号雪山）」がいます。代表作品として、黒金彩画、ダマシン（象嵌、九谷焼の絵付けの技術）がよく知られています。 代継承は？窯元は？などの詳細は不明でしたが、出品の湯呑み茶碗は、正に黒金彩花鳥画（梅とウグイス）、同人の手によるものかは分かりませんが、「雪山」ブランドと言えるものです。 出品の「雪山」ブランドの黒金彩花鳥画の湯呑み茶碗が、「九谷光山」銘の共箱に収められ「片岡光山堂」で販売されていた、これで入れ物と中身の銘が異なることになりますが、これは老舗九谷焼専門店「片岡光山堂」が中身の価値を保証することを意味するのではないでしょうか。 大きさ（㌢）重さ容量はおよそ次の通りです。 【湯呑み茶碗】 高さ１０．５、口外径６．７、内径６．３／ 腰径７．５、高台０．４、底径５．４／ 重さ３１５㌘／ 容量３００㎖（口近く）／ 【共箱】 縦横１１、高さ１４．４／ 重さ２１０㌘／ 湯呑み茶碗には汚れやキズなどはほとんど見られません。表面のヒビ（写真１０、１１）は貫入と呼ばれる製造時に生じたもので欠陥ではありません。独特の美しさのあるダマシンで、未使用に近いほぼ無傷の美品です。湯呑み茶碗としてお使いいただければ幸いです。