ベルギー・アントワープの感性が最も濃く宿っていた初期アーカイブ期。 その空気をいまに伝える、Dries Van Noten の貴重なニットカーディガンです。 ブランド黎明期は、民族的なテキスタイルや色彩の重なり、異素材を織り合わせる“ハンドクラフトの温度”が特徴的でした。本作もまさにその流れを象徴する一着。 胸元からボディにかけて配された多色ストライプのパネルは、編み地を切り替えることで立体的な陰影が生まれ、ドリス特有のエスニック要素と実験的な構築性が独自のバランスで共存しています。 深みのあるカーキトーンのベースニットは、当時ならではの重厚なウール糸を使用。袖や背面に走るリブ編みは、初期アーカイブの証ともいえる質実剛健な作りで、今日の柔らかなライトウールとは異なる存在感を放ちます。着た瞬間に感じる“手仕事の強さ”はこの時期のドリスならでは。 世界的にも評価が高まる初期アーカイブは、作品数の少なさも相まって近年急速に再評価が進んでおり、特にニットピースはコレクターシーンでも流通が希少です。ベルギー製タグが残る点も含め、大切に受け継がれてきたことが感じられる一品です。 肩を落としたゆるやかなシルエット、短めの着丈、複雑に組み合わせた配色——。 ファッションが“個性”として機能していた時代の匂いを、いまのワードローブに心地よく落とし込んでくれます。 この年代のものにしては極上のコンディション。 着丈57 身幅62 肩幅67 袖丈53.5 ドロップショルダーでゆったりと可愛いシルエットです。 柔らかな中にも芯を感じる、美しいアーカイブニット。 ドリスの世界観を最も純度高く味わえる一着を、この機会にぜひ。