HOT ! 金ラスター×銅青磁 ガス窯焼成 作家物陶器皿

この作品は、金ラスターをベースに銅青磁を重ね、ガス窯で焼成した器です。 金ラスター釉は、その名の通り金属的な輝きを放つ釉薬で、酸化焼成に適しています。焼成温度はおよそ1230℃前後が目安とされており、釉薬の厚みや焼成環境によって輝きの強弱が変わります。金属光沢の奥には、陶器ならではの柔らかな質感が共存しており、食卓に上品な華やかさを添えてくれる素材です。 そこに重ねたのが銅青磁釉です。銅を呈色材としたこの釉薬は、酸化焼成で淡い青緑色を呈します。焼成条件によって色調が変化するため、釉薬の流れや炎の当たり具合により、部分ごとに深みのある緑や澄んだターコイズブルーが現れます。青磁は古くから「清らかさ」や「静けさ」を象徴する釉薬とされ、この器にも落ち着いた表情を与えています。 焼成にはガス窯を使用。ガス窯は炎の酸化・還元を細かく制御できるため、ラスターと青磁の双方の特性を引き出すのに適しています。 均一な温度管理と同時に、炎の流れが釉薬にわずかな変化をもたらし、窯出しの瞬間にしか得られない景色をつくり出しました。 その結果、縁には鮮やかな青が流れ込み、金の輝きと調和しながら奥行きのある表情を見せています。 私が造る器は、実際に料理を盛り付けて初めてその力を発揮します。 料理との相性を考えると、鴨ロースや牛肉のローストのような肉料理は特に映えます。金ラスターの輝きが肉の艶を際立たせ、青磁の落ち着きが余韻を添えてくれます。 和食では、白身魚の昆布締めや酢橘を添えた刺身がおすすめです。 銅青磁の青緑が清涼感を強め、料理の色を鮮やかに見せてくれます。 煮物や炊き合わせのような家庭料理でも、この器が持つ景色が料理を引き立て、日常に小さな特別感を添えてくれるでしょう。 この器は、華やかさと静けさを併せ持ち、日常にも特別な場面にも自然に馴染みます。 料理とともに使い込むことで、より豊かな表情を見せてくれる一枚です。 ご覧いただきありがとうございます。