HOT ! べっ甲？簪（べっこう？かんざし）と赤銅簪（しゃくどうかんざし）２点

骨董のべっ甲？簪と赤銅簪の２点です。 具体的な時代時期は不明ですが、大正以前では？ ２点は、彫刻、彫金の技能を持つ当時の簪職人の手によるものと思われます。 １円玉より小さな直径の中に、派手さはありませんが見事な飾り細工が。 【べっ甲？簪】 素材がべっ甲（白甲）かどうかは分かりません。 べっ甲細工は、海亀の一種タイマイ（玳瑁）の甲羅による高価な装飾具、希少で贅沢品であり江戸時代には奢侈（しゃし）禁止令の取締り対象に、職人らはすっぽん（鼈）の甲と名前だけをすり替え製作、以来、べっ甲の漢字は今も「鼈甲」が。 出品は、本鼈甲の粉を漆などに練り混ぜ、成形後に彫刻する「練り鼈甲」と思われます。本鼈甲より虫食いになりにくいようです。 大きさ（㍉）重さはおよそ次の通りです。 全長１４０、直径１７、厚み３／ 軸長１１３、軸径２〜３／ 重さ３㌘／ 直径１７㍉厚み３㍉の中に花鳥の図柄が透かし彫りされています。花は菊でしょうか。 全体に汚れはほとんどなく、飾り彫刻や軸に目立つ欠け、ヒビなどの傷みもほとんど見られません。状態は比較的良好と言えます。 なお、軸に僅かな欠けが何ヶ所に見られますが、製作時のものか、使用によるものかは不明。 【赤銅簪】 素材は、銅に少量の金・銀を加えた銅合金の赤銅（しゃくどう）だと思います。 大きさ（㍉）重さはおよそ次の通りです。 全長１４０、直径１７、厚み１／ 軸長１１３、軸径１／ 重さ８㌘／ 直径１７㍉厚み１㍉の中に竹の葉と共に竹の花？が彫金細工されています。 ちなみに、竹は生命力の象徴、成長、長寿、繁栄など縁起の良い植物として知られていますが、百年以上の周期で一斉に開花、開花後は・・・と逆の意味で敬遠されてきました。しかし、近年、竹の花は次世代の再生を意味する吉兆と捉える見方が広まって来ている、と説明が。製作当時このような考え方があったかどうか？また、彫金は竹の花ではないかも。 全体に汚れはほとんど見られず、飾り彫金や軸に発錆や変形、傷みなどもほとんど見られません。状態は比較的良好です。 簪は日本の伝統文化、着物文化、芸術に深く根差した髪飾りです、伝統工芸品の一つでも。コレクションに如何でしょうか。 べっ甲に関しても詳述された亀にまつわる興味深い図書です。 ・ものと人間の文化史　１２６・亀 ・矢野憲一著　２００５年初版 ・法政大学出版局発行